タンポポとイチゴの花

 

誰かを好きになることって

内なるパワーの目覚めにつながっている

そんな気がします。

たぶん

人を愛するという気持ちがそもそも

理屈ではない本能から生まれるからなのかも

しれませんね。

本能に根差し生まれる感情なので

本人すら気づかぬうちに爆発的な力を発揮し

自分では考えもしなかったような

言動をとれてしまったり

それまでは知らずにいた表立っていない

内に眠る新たな力や魅力を引き出したり・・。

現在は、すっかり恋愛隠居状態の私も

若い頃のパワーはすごかったなと

今でも思います。

めったに人を好きにならないので

一度好きな人ができると猛烈なパワーを

注ぐことができたという感じでしょうか。

まだ20歳過ぎの学生時代

一度だけ長く話をしたバイト先の記者に

猛烈に惚れ込み

その方が学生時代に卒論テーマとした

文学者の作品をそれこそ出版元を問わず

憑りつかれたように片っ端から読み漁る

なんてことは朝飯前です。

たった一度のその長い会話の中で得た

カメラを携えアジアを旅するという話。

ささいな雑談の中で得た帰国日をめどに

今では(当時でも)ルール違反なのでしょうが

片っ端から航空会社に連絡して

乗客者を調べてもらうなんてこともありました。

帰国日当日に、便のあてもないのに

早朝から成田空港の到着ロビーに張りこみ

どちらのターミナルに着くのかさえ不確かな中

勘だけを頼りに

足が棒になるまで待ち続けたこともあります。

飛行機の到着アナウンスが流れるたびに

疲れた顔をしていないか、お手洗いで身なりを確認し

ゲートから出てくる山のような乗客一人一人に

目を凝らし、相手を探すわけです。

ほぼ終日立ち尽くして、夜にさしかかったあたりに

ようやく見つけた

愛しの君の姿を目にしたときの感動といったら・・。

「知り合いの方を迎えにきてたんです」

なんて思いきりしれーっとごまかし

「こんな奇跡的な偶然、あるんですねぇ」

なんて、しらばっくれてみるわけです。

内心、心臓が爆発しそうなぐらい舞い上がり

傍からみても

足が宙に浮いていたのではないかしら。

「一緒に都内までご一緒していいですか?」

「あれ、どなたかのお迎えにいらしてたんじゃ?」

「いえいえ、もう時間も遅いのでこの便に

いなかったら帰ろうと思っていたんです」・・・

いったい、どの口が言ったですよね?

棒を通り越し丸太になりそうな両脚も

なんてことはありません。

ライナーでなく、あえて

所要時間が長い普通電車にした

2時間余りの帰途

どれだけ有頂天だったことでしょう。

すかさず旅で撮影したアジアの写真を

現像したら見せてもらえるよう

次に会う約束までこぎつけ

結局は夢のような楽しい食事会にて

彼には結婚を心に決めたお相手がいることを

知らされるわけです。

そんな相手に図々しくも

「私じゃだめですか?」と引き下がらない。

会うのが3度目で、いきなりこれを言う?

いったいぜんたい、あの無謀なまでの

図太さはどこから出たのでしょう。

結局は、お相手に定まっている彼の心や

幼馴染だという長い年月で築いてきた絆を

昨日や今日に会ったばかりの

10歳近くも年下、学生ごときに

揺らがせるわけもなく

あえなく淡い失恋となるわけです。

 

いちごと花

 

怖れを知らず、恥も知らず

本能の赴くままに行動できる

あのパワーってどこから生まれたのかなって

不思議に思います。

私の恋愛話は毎度

本人は必死なのですが

友人たちが泣き笑い転げながら聞くほど

まるでコメディマンガさながらの

恥ずかしい ”やってもた” 思い出ばかり。

それでも、恥ずかしさよりも

その時の感情に素直に動ききった感が勝り

不思議と嫌な思い出って一つもないんですよね。

恋愛をするにはパワーがいりますね。

自分を動かす力だけでなく

相手の心も行動も動かす力が必要になるのですから

そりゃ大変です。

先述の私のように、撃沈して無駄に思えるような

出会いからわずか2ヶ月あまりの実らぬ恋でも

あの時期に吸収した知識の膨大さや

ムダを大いに承知で行動できる

あの内から湧き上がるようなパワーを

経験しているか、いないかでは

まったく自分の内面の力発掘の深度が

異なるような気がします。

どんなことでも格好よくスマートに

さらっとできるのも素敵かもしれないですね。

私にはできないので憧れます。

でもとことん、持ちうるエネルギーを

余すことなく爆発できるような体験も

自分の底力を知るために、たまには良いと思います。

とりわけ若いうちは

たとえうまくいかなくても

復活する速さと力強さが断然違います。

注ぐ時間、エネルギー、お金など

恋愛に限らず何事に対しても

ムダをあまり好まない時代だからこそ

少し懐かしくなるのかもしれませんね。

けれども、泣いたり笑ったり

一喜一憂しながら心を震わす経験は

やはり私のすべての力の根底につながり

存在しています。

人を好きになるパワー

案外、後々になっても

人生の様々な局面で重宝しますよ~。

 

投稿者プロフィール

小松万佐子
小松万佐子こまつまさこ心理相談室(安曇野ルーム)心理カウンセラー
今日もお読みいただきまして、ありがとうございました。
皆さまが柔らかな心で一日過ごせますように。
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